仕事をしすぎた、頭を使い過ぎた、悩みごとが続いた、難問が起きて困った、くよくよし過ぎた。

そのようなことで脳が消耗してしまい、電池切れを起こす寸前になったときに、脳の疲れをとる方法は数々あると思います。

「ぐっすり眠ること」もその一つです。でも、そのときにぐっすり眠れる状況にあるとは限りません。

「呼吸法」や「瞑想」や「自律訓練法」も脳の疲れをとってくれます。しかし、呼吸法・瞑想の習慣がない、自律訓練法もやったことがない、という場合に、

だれでも、簡単に、時間もかからずに、その場ですぐにできる脳のリフレッシュ法がおなじみの「あくび」なんです。

　　　　　　　

あくびはどんなときにでるの？

寝起き。疲れた時。退屈したとき。あくびしている人を見たとき。脳が酸欠になったとき。

　　　　　　　


そんなときに体の自然現象としてあくびが出て、いろいろな調整をしてくれるのです。状況が許すなら、思い切りあくびをすると、あくびの恩恵をその場で受けることができます。「あくび」っていいですね。

あくびの効用とは

あくびには以下のような効果があります。

1．深呼吸によるガス交換の促進

2．肩・首・頭の凝りを解消

3．耳抜き

4．ドライアイ

5．交感神経の緊張を和らげる
　　　　　　　

順に説明していきます。

■1番。あくびをすると無意識ながら深呼吸をすることになり、二酸化炭素度が通常よりもっと排出され、不足がちになっていた酸素が補給されるので頭がすっきりしてリフレッシュされます。

脳の疲れが解消されて集中力が増します。

■2番。体に酸素が行きわたることで緊張がゆるんでリラックスできます。肩がバリバリで、首や頭までががちがちに凝っているときにあくびをすると、凝りを解消することができます。

といっても、一回のあくびで全部解消するのは難しいかもしれませんが、少し楽にはなると思います。その少しがそういうときにはすごく助かるんです。

■3番。あくびをして口を大きく開けることによって耳抜きができます。飛行機の上昇時に気圧の変化で耳が塞がったのを唾を飲み込んで直すのと同じ働きをします。

場合によっては、あくびをしたあとにテレビの音がクリアになったりします。

■4番。あくびをすると目が潤ったり涙がでたりします。もし、あくびが自在にできたらドライアイの目薬が要らなくなります。

■5番。深い呼吸をすることで副交感神経の働きを高め精神的にもリラックスすることができます。

こんなに効用があるあくびなのに、偶然にしかできないのは惜しいと思いませんか？

あくびを意図的にする方法

今すぐ疲れを摂りたいけど、「あくびは偶然に出るのを待つしかない」とあきらめるのはちょっと待ってください。あくびは意図的にできるんです。しかも何回でも。

1．背もたれのある椅子に座って息を大きく吸いつつ、のけぞりながらながら手はこぶしをにぎった両腕を後方に上げます。

2．目を閉じます。

3．口を大きく開けます。あるいは、口を閉じかげんにしながら「オー」という口の形をします。


これであくびができると思います。

もう少し目立たなくあくびをする

オフィスで、マスクの中であくびをする方法です。

口をしっかり閉じて、鼻からいっぱい吸い込んだ空気を口の中にためたら口からあくびとなって出てくると思います。

あくびをしていることは、ほかの人からはわかるとは思いますがマスクの中の出来事です。かみ殺さずにきちんとあくびをした方がしっかりリフレッシュ出来ると思います。

トイレに立てる状況なら、思い切りあくびをするためにトイレに行くのもいいですね。


　　　　　　　

意図的にあくびをするときに共通するのは息を大きく吸うことです。

心身のリフレッシュと健康に役立つ「あくび」をぜひ、必要なときには何度でもしてみてください。

あくびは伝染するのか

あくびはうつる人とうつらない人がいて、ある調査ではその割合は約6対4だったそうです。うつらない人は「共感性が低い」というような位置づけにされているようですがどうなのでしょうか？

身近な人のあくびの方がよりうつりやすい、という説もあるようです。男女別の統計では女性の方がうつりやすいそうです。

「4才以下の幼児にはあくびはうつらない」、「あくびがうつるのは5才から」という説もあります。

しかし、電車で私があくびをした瞬間、むこうにいて目が合っていたベビーカーの赤ちゃんにバッチリうつっていた、ということがありました。（カワイイ＾＾）

その経験から、赤ちゃんにもうつるとしか思えません。でも、一人の赤ちゃんだけではその説を主張できないので、機会があるときには今後もっと試してみます。


　　　　　　　

あくびについては世界中で研究されているようです。「共感性」、と説明されていたとしてもなお、あくびの伝染に対する不思議は尽きません。

あくびを伴う危険な兆候

「生あくびが何度もでておかしい」、と感じるとき、そして次のような症状がみられるときは特に注意しなければいけません。

「頭がすっきりしない」　「頭痛がする」　「吐き気やめまいがする」　「他の不調がある」

脳梗塞などの危険性が考えられますから、すぐに受診することが必要です。この知識をしっかり覚えておくことで、自他の命を救うことになります。

おかしな症状がおさまったからといってそのままにしておくと、何日か後で重篤な症状になって再発することが考えられます。

脳梗塞や心筋梗塞は一刻を争います。ろれつが回らない、手足がしびれるなどの症状がまだ出ていなくても、上記のような症状の場合はただちに受診することをおすすめします。


最後はちょっと深刻になってしまいましたが、生まれてから今までに、何気なく何度となくしてきた「あくび」を、各方面から見直してみました。

あくびが、手っ取り早いリフレッシュ法であることを忘れずに意図的に活用することで、急場に自分をいたわることができ日常のストレスを減らすことができるのでぜひおすすめします。